志功画伯に捧ぐ「 赫不動・青不動 」
戦後、数々の国際的栄誉を獲得し、「世界のムナカタ」 として内外から高い評価を得た版画家・棟方志功。
画伯は常に青森を愛し、また、ねぶたを愛した人でもありました。 「ネブタの色、これこそ絶対まじりけのない、わたくしの色彩です」(板極道)というように、ねぶたの鮮烈な原色や、荒々しくたくましい絵画性、跳人はねとの熱狂は志功芸術の根源であるといわれています。
一方、「兎とも角かくも、わたくしの性格から好んで描きたい画題です」(板散華)といっているものに不動明王ふどうみょうおうがあります。 忿怒ふんぬの形相をし、右手に降魔こうまの剣を持ち、一切の悪魔を降伏させる不動明王。 棟方志功記念館(青森市)には、倭絵やまとえ 「赫不動あかふどう・青不動あおふどう」 が所蔵されています。
今年は画伯生誕百年にあたります。 これを記念し、赫・青一対の不動明王像をねぶたに作り、生涯にわたって青森を想いつづけ、故郷の土に還っていった偉大な津軽人、芸術家 棟方志功画伯の御霊みたまに捧げるものであります。
解説/竹浪 比呂央