「 羅 漢らかん 」
羅漢らかんとは阿羅漢の略称で、一切の煩悩を断ち、修行を完成させた佛弟子の最高の聖者のことである。
昨年、幕末の絵師・狩野一信かのうかずのぶ 筆、東京 芝・増上寺秘蔵の五百羅漢図百幅が初公開され大きな話題となった。 また、本県弘前市、太平山たいへいざん 長勝寺ちょうしょうじ 蒼龍窟そうりゅうくつには津軽藩 縁ゆかり の五百羅漢像が安置されている。
巨大地震、台風や大洪水など天変地異による大災害に喘ぎ、苦しむ時、禽獣きんじゅうと共に神通力を振るい人々の難儀を救う羅漢達。
一たび念ずれば、鉢からは泉のように水が湧き出し、また手にした香炉の煙は赤々とした灯火ともしびとなって世を照らす。
羅漢の神通力に、東日本の復興と、この国の安寧を切に祈るものである。
解説/竹浪 比呂央