令和六年度 出陣ねぶた


新天地しんてんち 海峡かいきょうさき
平家追討軍を指揮し最大の武功をあげるも、兄の源 頼朝みなもとのよりともに追われ奥州平泉おうしゅうひらいずみで自ら命を絶った、源 義経みなもとのよしつね。英雄の悲劇的な生涯は東北、北海道の各地に数多の伝説を生んだ。 ひそかに平泉を脱出し生き延びた義経は、逃避行を続け津軽半島の三厩みんまやにたどり着いた。目指すは蝦夷地えぞち。しかし、津軽海峡には激しい風が吹き波は高く、行く手を遮った。神仏にすがり風波を静めるほかないと、義経は岩に端座し、肌身離さず持っていた観音像かんのんぞうに三日三晩祈り続けた。そして満願を迎えた夜明けー 義経目の前に老翁が姿を現し「なんじの誠意は伝わった。神通力じんつうりきを持った龍馬りゅうめを三頭授ける。」と告げた。義経が岩穴を見ると、そこには馬の如く疾駆し龍の如く天を飛翔する霊獣、麒麟きりんが三頭つながれていた。そして、この麒麟に跨り津軽海峡の先、蝦夷地へと渡ることができたという。 老翁と麒麟に導かれた義経が新天地へはばたくが如く、郷土青森がさらなる高みへと向かうことを強く願うものである。

解説/竹浪 比呂央

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